不動産の売却に必要な費用は?控除や特例で減税できるってホント!?

公開日:2022/12/15  最終更新日:2022/09/26


不動産を売却するなら把握しておきたいのが税金のことです。不動産売却にはさまざまな税金がかかります。しかし、特例や控除を利用すると大きく節税できる場合もあるため、事前に知識をつけておくことが大切です。そこで今回は、不動産売却にかかる税金の種類や適用できる特例などについて紹介します。売却を控えている方は参考にしてください。

不動産の売却にかかる税金の種類

まずは不動産の売却にかかる税金の種類を把握しておきましょう。不動産の売却の際に納めなければならない可能性のある税金は以下の通りです。

印紙税

印紙税は不動産売却時の不動産売買契約書をはじめ、定められた文書を交わす際に支払わなければならない税金です。収入印紙を契約書に貼り付け、消印を行うことによって納めます。印紙税の金額は不動産の売買金額によって定められており、令和6年3月31日までは軽減税率が適用されます。たとえば不動産の売買金額が1,000万円~5,000万円の場合、1万円の印紙税がかかります。

消費税

消費税は対価を得て行う事業取引に対して課される税金で、資産の譲渡も対象となります。個人で不動産を売却する場合、売却そのものに消費税が発生することはありませんが、不動産会社の仲介手数料、司法書士や融資手続きへの手数料などには消費税がかかります。

登録免許税

登録免許税は、不動産売却時の抵当権抹消登記にかかる税金のひとつです。住宅ローンを借りる際には購入する土地と建物に抵当権が設定されますが、売却時には住宅ローンの完済とともに抵当権の抹消が必要となります。この抹消手続きの際に登録免許税が課せられ、不動産1筆につき1,000円がかかるのです。土地と建物がある場合は合計2,000円の登録免許税を納めることになります。

譲渡所得税・住民税・復興特別所得税

不動産を売却して利益が出た場合、その利益を譲渡所得と呼びます。譲渡所得には所得税・住民税・復興特別所得税がかかるのです。ただし、利益が出なかった場合にはこれらの税金はかかりません。また、利益が発生したとしても、控除特例を適用した結果課税対象分がなくなったという場合も、これらの税金はかからないのです。譲渡所得に対する税金は、事業所得や給与所得とは分離して計算されることから「分離課税」とも呼ばれています。

確定申告したら利用できる控除

不動産を売却してせっかく利益が出ても、さまざまな税金でかなりの金額を納めることになるのではと不安に思うかもしれません。しかし、不動産の売却で発生した利益にかかる所得税にはいくつかの特別控除が設けられており、控除を利用すれば納める税金を減らすことが可能になります。確定申告で利用できる特別控除について以下に紹介しましょう。

3,000万円の特例

居住用の家もしくは敷地の売却であれば、譲渡所得から3,000万円が控除される特別控除を利用できます。居住用に限られること、売却の前年・前々年にすでに3,000万円の特別控除を適用した場合には利用できないことなどに注意が必要です。この3,000万円特例を適用すれば、売却による利益が3,000万円以下までなら所得税はかかりません。

軽減税率の特例

所有期間が10年を超える不動産を売却した場合、税率が軽減される特例があります。本来所有期間が5年を超える居住用財産の税率は20.315%ですが、この特例を適用すれば課税譲渡所得が6,000万円以下の部分は税率14.21%に軽減されるのです。この軽減税率の特例は、さきほどの3,000万円特例と併用することもできるため、両方活用すれば大幅な節税が可能になるでしょう。

住宅ローン控除

住宅ローン控除は、売却と同時に住居を購入する買い替えの場合に利用できる特例です。住宅ローン控除はマイホームの購入時に住宅ローンを組んだ場合に利用でき、年末におけるローン残高の1%、最大40万円または20万円までを一定期間控除することができます。

売却時にかかる税金を計算する方法

最後に、不動産売却時に実際にかかる税金を計算する方法について簡単に紹介します。

譲渡所得を計算する

譲渡所得は、土地や建物の売却金額から取得費・譲渡費用を差し引いて計算します。この際、取得費とは土地や建物の購入代金にくわえ購入手数料、その後に支出した改良費や設備費を加えた合計額のことです。また、譲渡費用とは土地や建物を売却するためにかかった費用のことで、仲介手数料や測量費、売買契約書の印紙代などを含みます。

課税譲渡所得に税率をかける

譲渡所得を算出したら、売却する物件の所有期間に合わせて決まった税率をかけて税額を求めます。難しく感じるかもしれませんが、おおよその金額でもよいので払うべき税金の額を把握しておくと便利です。不動産会社のサイトなどでは、売却にかかる税金をシミュレーションできるところもあるので、活用してみてはいかがでしょうか。

まとめ

不動産を売却して利益が出ると、さまざまな税金がかかります。しかし、確定申告で定められた手続きをすれば、特別控除を利用して節税につなげることができるでしょう。期日までに手続きをしないと控除が受けられなくなってしまうため、事前にしっかりと準備をしておくことが大切です。何かと忙しい不動産の売却ですが、信頼できる不動産会社を見つけて相談しながら進めていきましょう。

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