不動産の個人間売買が難しいとされる理由とは?トラブル防止策も解説

公開日:2023/03/15  最終更新日:2023/02/03

不動産売買

不動産売買には、ほとんどのケースにおいて「不動産会社」が関与しています。仲介を行ったり、不動産会社自身が買取をしたりするなどして、不動産の専門家として売買に関わっていますが、どうして個人間の売買は普及していないのでしょうか。そこで、この記事では不動産の個人間売買に注目します。興味のある方はぜひご一読ください。

個人間売買のメリット・デメリット

不動産売買において不動産会社が何かしらの形で関与することが多いですが、実は売買は個人間でもできるのです。不動産の個人間売買は、不動産会社の仲介を挟むことなく交渉から売却完了まで行います。

つまり、不動産会社のサポートがない中で高額の売買を成立させる必要があるということ。では、個人間売買のメリット・デメリットとはどのようなものでしょうか。

メリットとは

不動産会社に不動産の売買をサポートしてもらうことを「仲介」といいます。売主のために買主を探す広告や価格のアドバイスはもちろんのこと、売買成立における事務手続きまでをサポートしてくれるものです。

その代わり、不動産会社はサポート分の手数料として「仲介手数料」を受領しています。個人間売買なら不動産会社を仲介させないため、手数料は発生しません。また、個人間の場合「いい値」で成立させやすくなります。

買主が納得すれば売主のいい値で売買が成立します。不動産会社を間に挟まないので、売主のスケジュールに沿って売却までも進めやすくなるのです。

デメリットとは

不動産売買は高額の費用が動く手続きであり、登記や税金に関する知識も必要です。売却する理由によっては、相続手続きなどのスケジュールの中で速やかに交渉を成立させる必要もあります。

しかし、買主がご自身で探しても見つからない場合には、売却がそもそもできません。また、売却後に契約不適合責任に該当する事由が発生したら、損害賠償責任など重い負担を強いられる可能性もあります。

予備知識なく個人間で不動産売買を成立させる場合、非常にリスクがあると考えたほうがよいでしょう。

個人間売買を行う際に必要なものとは

個人間売買を実際に行う場合には、一体どんなものを必要とするでしょうか。ここからは売却完了までに必要なものをピックアップします。

必要書類とは

不動産の売買には、現在売主が所有している「登記済権利証」を用意します。登記簿の元となるもので、売主が保管しているものです。このほかに、登記簿謄本や公図を法務局にて取得します。

建物の構造や税金を把握できる固定資産証明書、売買成立時に必要となる印鑑証明書を市町村役場にて取得します。このほかに本人確認ができるもの(一般的には運転免許証やパスポートなど)を用意しましょう。

売買時には買主側としては印鑑証明書と本人確認証を用意します。

売買成立時には実印と印紙を

印鑑証明書の取得にあるように、売買成立時には実印による手続きが必要となります。印鑑証明書の印鑑を変えたい場合には、購入よりも前に手続きを行い、印鑑証明書上も変更を行ってください。

また、不動産の売却時には印紙を必要とします。売買契約書に必要とするものです。土地の金額に応じて印紙代も異なるものですが、現在国税庁によると租税特別措置法の下で不動産譲渡に関する契約書については印紙税の軽減措置が設けられています。

対象の有無を国税庁HPにて確認の上で契約書の作成を行うことがおすすめです。権限措置に関しては掲載金額が10万円を超えるものとされており、多くの売買契約が該当します。

税金や司法書士への支払いも必須

不動産売買は高額の費用を要するほか、税金に関しても正しく処置を行う必要があります。上記に触れた印紙税以外にも、登録免許税や司法書士への報酬も支払う必要があるのです。

また、売却した利益に関しても税金がかかります。売買前後には税金に関しての知識が必要となるため、専門家からアドバイスをもらっておくことがおすすめです。なお、住宅ローンが残っている土地の場合、売却にあたっては抵当権の関係から金融機関の許可なく売却することはできません。

個人間売買はトラブルが起きやすい!防止策・対処法は?

個人間売買はトラブルが起きやすい、という噂を聞いたことはありませんか。実は、これは事実なのです。では一体どんなトラブルが起きやすいのでしょうか。防止策や対処法についても詳しく解説します。

お金のトラブル

市場価格とあまりにも離れた値段で売却しようとすると、贈与になる可能性があるのです。とくにご親族の間で安く土地を譲ろうとすると、贈与とみなされ贈与税が発生するリスクがあります。

契約時のトラブル

個人間の場合、士業や不動産業のプロが介在していないため、契約時に費用の受け渡しや契約書の取り交わしなどに不備があり、交渉が決裂するなどのリスクがあります。また、反社会勢力の方を避けて契約する必要があり、慎重に契約を進める必要があるのです。

契約後のトラブル

契約後に不動産に欠陥があった場合には、契約不適合責任が発生します。損害賠償請求などのトラブルが起きやすく、欠陥なく売却できるように売主は最善を尽くす必要があります。

まとめ

今回は不動産の個人間売買に注目した記事をお送りしました。個人間売買は法律や税金などの知識不足からトラブルになりやすく、実際に行う場合には慎重に行う必要があります。契約書の作成には士業の力を借りるなど、専門家のアドバイスを得ながら進めることがおすすめです。大きなトラブルを未然に防ぐためにも、仲介などプロの業務のメリットも踏まえながらご検討してください。

おすすめ関連記事

サイト内検索

【NEW】新着情報

不動産売買には、ほとんどのケースにおいて「不動産会社」が関与しています。仲介を行ったり、不動産会社自身が買取をしたりするなどして、不動産の専門家として売買に関わっていますが、どうして個人間の
続きを読む
みなさんは“契約不適合責任”とはどんな考え方かご存じでしょうか。2020年4月に民法改正が行われ“瑕疵担保責任”という用語が改められたのです。契約不適合責任は、売主の責任が大きくなった、とい
続きを読む
転勤で海外に引っ越す場合や同居の開始など、さまざまな理由で自宅の売却を急ぐことがあります。自宅をなるべく早く売りたい、そんなときには不動産会社を経由した「買取」と「仲介」というふたつの方法で
続きを読む
不動産売買関連コラム