自宅をなるべく早く売りたいなら買取と仲介とどちらがいいの?

公開日:2023/01/15  最終更新日:2022/12/26


転勤で海外に引っ越す場合や同居の開始など、さまざまな理由で自宅の売却を急ぐことがあります。自宅をなるべく早く売りたい、そんなときには不動産会社を経由した「買取」と「仲介」というふたつの方法で売却が可能です。この記事では買取・仲介に焦点を当てて、不動産売却のコツを解説します。ぜひご一読ください。

仲介のメリット・デメリット

自宅を売却するひとつ目の方法は「仲介」です。仲介とはその名のとおり、不動産会社が仲介者として売主と買主の間に入り、不動産売買を成立させるもの。仲介と呼ばれることが多いですが、媒介と呼ばれる場合もあります。仲介には以下のメリット・デメリットがあります。

メリットとは

不動産売買のプロである不動産会社が売買の仲介役となってくれるため、売りたい不動産の適正価格についてアドバイスをもらえます。また、売買に関する税金や法律上の手続きなどもサポートしてくれるのもメリットです。仲介業務を開始すると、買主を探すために広告したり、買ってくれそうな顧客に声をかけたりしてくれます。

デメリットとは

仲介は「仲介手数料」が発生することがデメリットといえます。また、仲介契約内容によってはひとつの不動産会社としか契約ができない場合があるのもデメリットです。買主を探すために広告を出すことから、自宅を手放そうとしていることが知られてしまいます。加えて、仲介業者によっては積極的に買取希望者を探してくれず、売却までかなりの時間を要すこともあるのです。自宅を早期に売却して現金化したい場合には、売却までにどれほど時間がかかるか予想できない仲介は、リスクが高い方法といえます。

買取のメリット・デメリット

自宅を売却するふたつ目の方法は「買取」です。買取は売主が売りたい不動産を「買取」してくれる方法。仲介ではないため仲介手数料は発生せず、不動産会社自身が買主になってくれます。メリット・デメリットは以下のとおりです。

メリットとは

急いで自宅を売却したい場合には、すぐに現金化できる買取にメリットがあります。買主探しに時間を要する仲介よりもスピーディーです。仲介手数料を支払う必要もありません。じっくり売却に時間をかけている暇がない場合、買取に大きなメリットがあります。また、売却に関する広告も出されないため、自宅を売ることを周囲に知られる恐れもありません。仲介による売却に時間がかかっている物件でも買取してくれます。また、訳あり物件と呼ばれるもの、築年数が相当に経過しているものであっても、不動産会社が納得すれば買取は成立します。

デメリットとは

市場価格で売却できる仲介よりも、買取価格が安い傾向があります。不動産会社が買い取ってくれる分、どうしても市場価格割れを起こすのです。築年数が浅く、よい状態の自宅なら仲介による売却の方が高くなる可能性があります。売却まで時間をかけてもよい物件、市場価格は安定しており、買取がすぐに見つかりそうなエリアにある物件なら、仲介を選んだ方が利益率は高いでしょう。

高く売るなら仲介、早く売るなら買取がおすすめ

自宅の売却を急いでいる場合、その背景には転勤や家族人数の変化など周囲にオープンにできる内容もあれば、住宅ローンの支払いの難航や相続による承継、離婚など、知られたくない事情もあるでしょう。とくに住宅ローンの支払いが厳しくなり、自宅の売却を急ぐ場合にはローンのスケジュールも踏まえておく必要があります。

滞納が起きそうな段階で売却が完了すれば、支払いの督促はもちろんのこと、代位弁済や競売を避けることもできます。自宅を売りたい場合には、こうした事情も踏まえて仲介と買取のどちらが有利なのか判断をすることが重要です。そこで、仲介がおすすめのケース、買取がおすすめのケースをわかりやすく以下で解説します。

仲介がおすすめのケースとは

不動産売却で仲介がおすすめのケースとは「高く売却したい」場合です。仲介は時間をかけて売却先を選定できるため、市場価格で売却をすることができます。とくに現在住んでいる自宅が高騰傾向のある地域の場合には、思っていた以上に高く売れる場合もあるでしょう。

仲介手数料は必要ですが、売却活動に力を入れてくれる不動産会社なら広告活動も熱心です。契約不適合責任は生じますが、買取よりも高く売りたいなら、仲介を選んでみましょう。なお、仲介で時間をかけても売れなかった場合には買取に変更をすることもできます。

買取がおすすめのケースとは

では、買取がおすすめされるケースとはどのようなものでしょうか。結論からいうと「とにかく早く売りたい」場合です。市場価格により売却より買取価格は下がってしまいますが、契約不適合責任を負う必要もありません。住宅ローンに返済が厳しくなってきている場合には、不利な状況に追い込まれないためにも早く売却に臨むことがおすすめです。また、仲介手数料も発生しません。広告されないためデリケートな理由で自宅を売却したい場合にも、周囲に知られずに手続きを進めることができます。

まとめ

この記事では、自宅をなるべく早く売りたい場合に、買取と仲介のどちらを選ぶべきか詳しく解説しました。仲介・買取のいずれにもメリットとデメリットはあります。仲介の場合には解説のとおり高額売却を目指しやすくなりますが、とにかく早く売りたい場合には、不動産会社に直接売却する方がおすすめです。ご自宅の持つ事情に合わせて売却方法を検討し、後悔のない売却を目指しましょう。

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